一方、中国について考えてみると、ほとんどの高齢者は家でのんびりと過ごし、家族とのだんらんを楽しんでいるのではないだろうか。日本文化における「家庭観念」が中国ほど強くないということが両者の違いの理由だが、
もう一つの側面としては日本の若者の「子どもを生みたい」という意識が薄れてきたため、外で働ける高齢者は仕事を続けるしかないのだ。
そして、これは食習慣と関係があるのだろうが、日本の高齢者は痩せている人が多く、中国のようにまるまるとしたおばあちゃんを目にすることはあまりない。これも彼らを寂しそうに感じさせる原因の一つだ。もちろん、
日本の高齢者の間にも集会など社交の場は存在するが、その中に若い人の姿を見掛けることは少ない。中国なら高齢者同士の集会の場に少なくとも幼い子どもや赤ちゃんを連れて来る人の姿があることだろう。
また、中国では春節(旧正月)に子どもたちが大変な思いをしてまで帰省しようとするが、都会で働く私の日本人の友人たちは「この数年間、1回も実家に戻っていない」と話していた。
私は日本滞在中のある晩、興味本位で地下にある古びた映画館に行ってみた。24時間営業でチケット代もとても安いその映画館には時間をつぶしに来た高齢者の姿があり、スクリーンの映像に全く関心を示さない
彼らの姿は悲しいものだった。中国でも一部で親不孝な人は見られるが、高齢者の生活といった面ではやはり中国の方が人情味にあふれているのではないだろうか。(翻訳・編集/野谷)
http://www.recordchina.co.jp/b600440-s0-c60-d0063.html