ここまで書いてやっと制限速度の40km/hまで落ちましたってね。
書いた奴の頭の悪さがにじみ出ている。
初めから40km/hで走れ車カス
>>紅葉の中を1台の白い新型クラウンが下って来た。
道路はため息をつくほど美しく屈曲しながら、急傾斜の山肌から差し出される枝をかすめて、勾配のきついブラインドコーナーを左に回り込む。運転席の男が助手席の女に何か話し掛けている。車速はおよそ時速70キロ。指定速度を30キロもオーバーしている。
ドライバーはその先に、呑気に立ち尽くしている鹿の存在を知らない。瞬間、フルブレーキ――のつもりだが、慣れない急制動で踏力が足りない。クラウンに搭載されるアクティブステアリング統合制御(VDIM)が車両コントールを開始する。
まずプリクラッシュブレーキアシストが起動し、制動力をタイヤのグリップ限界まで即時に上げる。しかし、濡れた落ち葉のせいでグリップは頼りない。アンチロックブレーキ(ABS)が作動して断続的にペダルを蹴り返しながらその路面での最大減速を保ち続ける。
驚いた鹿は一瞬怯えてすくみ、ややあって駆け出すが、接触は避けられそうもない。ドライバーは本能的に反対車線側にステアリングを切る。ABSはわずかにその作動を緩め、前輪が横力を発生する。
すでに制動開始時から作動していたビークルスタビリティコントロール(VSC)が左後輪へのブレーキを強めて車両の自転運動を補助する。鹿はなんとかかわしたものの、これだけの安全装備を駆使しても事故を完全に防ぐことはできない。
静寂を破って重い衝撃音が響いた。プリクラッシュブレーキサポートが衝突の瞬間まで限界制動を維持した結果、衝突時の速度は下り坂にもかかわらず、時速40キロまで落ちていた。