北京での日韓外相会談はわずか30分間しかない
高橋浩祐 | 国際ジャーナリスト
8/20(火) 13:03
日韓関係が険悪の一途をたどり、戦後最悪の状況に陥っている。日韓の青少年交流が延期中止になったり、
韓国の格安航空会社(LCC)の運休減便が続発したりするなど、草の根の民間交流や観光業、
ビジネスに悪影響が出ている。
日韓関係がぐっと冷え込むなか、河野太郎外相が21日午後に中国の北京郊外で韓国の康京和(カンギョンファ)
外相と会談する。3年ぶりの日中韓外相会談に合わせて実施される「サイドライン(場外)」の呼び名で知られる
2国間協議だ。しかし、筆者が19日に参加した外務省による外国メディア対象のバックグラウンド・プレス・
ブリーフィングによると、この日韓外相会談の予定時間はわずか30分間。通訳の時間を入れれば、
実質わずか15分ほどだ。いったい何が話せるというのか。悪化の一途をたどる日韓の外相会談の情報を得ようと、
このブリーフィングに参加した外国人記者たちも、あまりの会談時間の短さに唖然としていた。
外務省によると、日中韓外相会談は2016年8月に東京で行われて以来、3年ぶり。8月20日から22日の2泊3日
の日程で北京郊外で行わる。20日夕に日中外相会談、21日午前に日中韓外相会談、21日午後に日韓外相会談が
予定されている。
今回の日韓外相会談は、タイ・バンコクで開催した東南アジア諸国連合(ASEAN)関連会合に合わせて開かれた
8月1日以来で、日本政府が2日に輸出管理の優遇対象国から韓国を除外することを閣議決定してから初めて。
1日の会談では河野、康両外相は約1時間にわたって、
日本政府が韓国に対して実施した半導体材料の輸出規制強化をめぐって、批判の応酬を繰り広げた。
互いに主張を述べるだけか
今回のわずか30分間という短い日韓外相会談でも、輸出管理強化や元徴用工問題、さらには24日に更新期限を
迎える日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)についても議論される見込みだが、お互いにただ主張を
述べるだけにとどまると思われる。河野外相は、徴用工問題で国際法違反の状態を是正するように要求し、
韓国側が破棄を示唆するGSOMIAの延長を求める見通しだ。一方、康外相は、日本政府の輸出管理強化について、
「元徴用工判決への不満と結びついた不当な経済報復だ」として、改めて撤回を要求するとみられる。
韓国外交省は19日、在韓日本大使館の西永知史公使を呼び、東京電力福島第一原発で増え続けている放射線物質
を含んだ処理水について、海洋へ放出する計画があるか事実確認を求めたばかり。日韓両国ともチキンレースを展開
しており、上げた拳をなかなか下ろせない状況だ。
(以下ソース)
https://news.yahoo.co.jp/byline/takahashikosuke/20190820-00139111/