
中国への忠誠、議員要件に 香港長官が施政方針演説
2020年11月26日 05時00分 (11月26日 05時01分更新) 会員限定
【上海=白山泉】香港の林鄭月娥(りんていげつが)行政長官は二十五日、今年の施政報告(施政方針演説)で、新型コロナウイルスや反政府デモが「香港に未曽有の打撃となった」と指摘し、政治体制の抜本改革や経済発展を最優先させる考えを示した。議員の宣誓規則を厳格化するほか、中国への忠誠心を資格要件とする方針を打ち出すなど、議会の統制強化を鮮明にした。
施政報告は本来、十月中旬に行う予定だったが、林鄭氏が北京で中国政府からの支持を取り付けるため一カ月遅らせた。
二時間半にわたる演説では随所に「中央(中国政府)」という言葉が表れた。新型コロナ対策では、本土との人の往来を回復させるため、行動経路を追跡する「健康QRコード」を導入するほか、中国からワクチン提供を受ける。林鄭氏は最後に「施政報告は中国政府の一貫した支持を体現しており、香港発展のために闘う私の決意を表している」と強調した。
香港国家安全維持法(国安法)については「社会に安定をもたらした」と評価し、国家安全への理解を高める大規模な公教育を実施すると述べた。
経済政策では、香港と隣接する広東省深セン市との域境を挟むように、中国政府の支援を受けて...
https://www.chunichi.co.jp/article/160195/