https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM261RB0W1A420C2000000/?fbclid=IwAR1Jrfy4eMDfaMwEvajlVJi2mGqD-pQA0-KfhEK6ufLPq3-_rzlsZI6eZkw
シンガポール国立大学病院の研究者らは25日、抗マラリア薬のヒドロキシクロロキンとポビドンヨードの喉スプレーがそれぞれ、新型コロナウイルスの感染が激しい密の環境で、感染拡大を鈍化させる一定の効果が認められたとの研究結果を発表した。
研究者らは2020年5月にシンガポールの寮で集団生活する3037人の健康な外国人労働者を対象に調査した。グループ別に@ビタミンC服用、Aクロロキン服用、Bポビドンヨードの喉スプレー1日3回使用――などを試した。6週間後、コロナの抗体検査で陽性となった割合が、ビタミンCグループが70%に対し、クロロキンは49%、喉スプレーは46%と、いずれも20ポイント超低かった。
シンガポール国立大学病院のレイモンド・シート准教授は「ワクチンがまだ届かない国などで、感染が激しく密の環境で生活する人には有効な予防策だ」と述べた。当時、10人以上が寝室やトイレを共有する外国人寮では、感染が急拡大していた。隔離しながら対策を探る中で、研究チームはデータを収集した。対象は平均年齢33歳で国籍はインドとバングラデシュが中心。
クロロキンは米トランプ前大統領が予防に使用したことで知られる。世界保健機関(WHO)が予防策として「推奨しない」としていた。