中学、高校生の入学は何かと物入りで、制服一式で5万円かかることもあって悩ましい−。こうした親としての体験をふまえ、仲良し主婦3人組が
11年前に立ち上げた学生服リユースの「さくらや」は全国に60店舗以上を構え、年間売り上げ3億円を超えるまでに成長した。
開店は週3日だけ、1日5時間営業でもOKという、子育てママでも働けるスタイルは「働き方改革」を先取りした取り組み。
馬場加奈子社長は「自分が働きやすいように、地域がもっと良くなったら、とひとつずつ実行したらこうなった」と自然体だ。
50着からのスタート
第1号店となったのは高松市上之町の高松店で、平成23年1月に開いた。
馬場社長は当時、中1の長女、小5の次女、幼稚園児の長男の3児の母。ごみ収集場に小学校の制服が捨てられていたことを知り、
前年夏に子育て仲間と3人で学生服のリユース業を始めたが、思うようにいかなかった。
「誰も聞いたこともないような仕事。それまでは自宅で営業していましたが、店がある方が信頼されるのでは」と開いた1号店は面積40平方メートル強、50着からのスタート。
初年度売り上げは約120万円。
扱うのは幼稚園〜高校の制服、体操服など。中高生の学生服やブレザーの一式は夏・冬服を合わせて最低でも5万円前後。
学校指定のジャージーや体操服などが3万円程度、通学かばんや靴なども加えると、入学時にかかる費用はこれだけでもかなりのものだ。
洗い替えは欲しいし、子供の成長に合わせて買い替えも何度も必要、生地が傷んだり破れたりすれば買い直し。
卒業後は不要となるが、思い出として保管するには場所がいるし、リサイクルショップはあまり引き取ってくれない。
かつては多かった近所で制服を譲ったり譲られたりという地域社会の結び付きが希薄となる中で、「ニーズは必ずある」と信じていた通り、数カ月後には反響が大きくなった。
1号店は現在、面積はほぼ倍に広がり、店頭に4千着、売買はそれぞれ年間8千件超、繁忙期の3月だけで500人以上、年間2千人以上来客するという。
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https://news.yahoo.co.jp/articles/2075e7e563c355ebb3c5d35f1bf2854aaf7dc42a