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京都府向日市の倉庫会社から南米原産の強毒アリ「ヒアリ」が大量に見つかった問題で、京都府が発見場所を非公表としたことに対し、住民から不安の声が上がっている。
「家の近くだったら怖い」「場所が分からないと注意しようがない」との問い合わせが府と市に相次ぐが、「風評被害を防ぐ国の方針に従う」として、今後も公表しないという。
府によると、12日午前に中国から届いたコンテナ内で発見され、業者から通報を受けた府などが駆除、女王アリ2匹を含む約2千匹を確認した。
府は12日と14日に報道発表し、ホームページなどで注意を呼び掛けたが、発見場所は「市内の倉庫」とのみ記し、発見場所は公表していない。
向日市には約30件、府にも約20件、場所を問い合わせる電話が寄せられたが、府市とも「国の方針で言えない」と断っている。
府は報道発表前、環境省に相談し、「発見場所が特定されないように」と指摘を受けた。12都府県(16日現在)でヒアリが確認されているが、港湾施設内を除き、自治体は具体的な場所を非公表にした。
男性作業員がヒアリに刺される事案が発生した福岡市は「ヒアリ対策は国の権限。独自の基準で発表できない」。
環境省外来生物対策室は自治体に非公表を求めたことについて、「公表すると事業者から通報してもらえなくなり、対策に支障が出る。
ただ、あくまで『お願い』であり、非公表は自治体の判断だと考える」という。
ヒアリ発見場所、なぜ非公表 市民「注意しようない」
http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20171029000018