串カツ田中「中止も検討」、プレ金に大きな岐路
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200228-00333186-toyo-bus_all 月末の金曜日に早く退社し、買い物や外食を楽しんでもらうことを狙いに2017年2月から始まった「プレミアムフライデー」。ちょうど3年が経とうとする今、その試みが岐路に立っている。
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「続けることに意味があると思い、ここまでやってきたが、効率が悪い」
プレミアムフライデー成功の代表例とされる居酒屋チェーン「串カツ田中」の織田辰矢営業本部長はいま、プレミアムフライデーにちなんだキャンペーンの中止を検討している。
■プレミアムフライデー効果で売り上げ3割増
同社は2017年1月の最終金曜日、136店ある国内全店(当時)で「フライングフライデー」を実施した。通常は午後5時の開店時刻を午後3時に早め、ほとんどが100円を超える串カツ全品を100円(税抜き)に設定した。
「プレミアムフライデーの取り組みを行う企業が多い中で、揚げ物のフライにかけて、『フライング』で実施すれば目につくのでは、と始めた」(織田氏)というもくろみで、限定商品も発売した。
効果は抜群だった。テレビなどの取材が数多く舞い込み、通常の金曜日と比べて売上高が3割増加。2017年2月の開始から1年間、プレミアムフライデー時の売り上げは前年と比べ2割増が続いた。金曜日以外の客足も増える波及効果もあったという。
2020年2月までほぼ全店での午後3時開店やほぼ全品100円での提供を続けてきたが、串カツ田中はなぜ今になって中止を検討しているのか。
織田氏は「同じ取り組みを続けることで、割引の日しか来なくなる『割引待ち』を最近感じ始めている」と打ち明ける。
全面禁煙による男性会社員の来店減少やメディア露出の減少により、直近の業績は苦戦している。串カツ田中の既存店売上高は、2017年11月期に客単価が2.1%減となる一方で、客数が4.9%増となり、
売上高は2.7%上昇した(いずれも前期比、以下同じ)。2018年11月期も客数が牽引し、客数が4.8%増、客単価が2%減となり、売上高が2.6%増加した。
しかし、2019年11月期に入ると勢いが鈍り、既存店客数が0.2%増と前年並み、客単価が3.3%減となり、既存店売上高は3.1%減と前期を下回った。