あらゆる人種差別をなくすことを目指す人種差別撤廃条約の履行状況を監視する国連の委員会の委員に、日本人として初めて南山大学の洪恵子教授が選出されました。
人種差別撤廃条約はあらゆる形の人種差別をなくすことを目指して1965年に国連総会で採択されました。
1995年に加入した日本を含め、現在178か国が締約し、国連の人種差別撤廃委員会が条約の履行状況を監視しています。
その委員18人のうち半数を選ぶ選挙が22日、ニューヨークの国連本部で行われ、
南山大学法学部教授で国際法が専門の洪恵子氏が、これまでの人権問題に対する国連への提言などが評価され、最多の132票を得て選出されました。
日本人が委員に選出されたのは今回が初めてです。
委員会は日本でヘイトスピーチと呼ばれる民族差別的な言動が社会問題になっていた2014年、日本政府に対して法律を整備して規制するよう勧告したことがあります。
洪氏への支持を各国に働きかけた日本の国連代表部は「日本がより積極的に人権分野で貢献していく決意をアピールできる」と期待を示しています。
洪氏はNHKの取材に対して「責任を感じている。委員会として各国との建設的な対話が必要だ。
それぞれの国の事情を理解したうえで、差別の撤廃に取り組みたい。教育分野やジェンダーの差別に関心を持っている」と抱負を語りました。
洪氏は来年1月から4年間の任期を務めることになります。
国連人種差別撤廃委員に洪恵子さん 日本人初
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170623/k10011027911000.html