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沖縄県名護市辺野古の新基地建設で、護岸建設用石材の海上運搬を請け負った業者に対し、県が国頭村の奥港の岸壁と港湾施設用地の使用許可を出していたことが、2日分かった。
港湾施設用地は石材の仮置き場として使うという。運搬業者が6月下旬に申請書を提出、県が9月上旬に許可した。
辺野古埋め立て関連で、工事を進めるための許可や承認を県が与えたのは翁長雄志知事の就任後、初めてとみられ、抗議する市民らの反発も予想される。
複数の関係者によると、石材の搬出には、3組の台船と引き船が使用される予定。
県港湾課によると、申請書には、岸壁と港湾施設の使用期間は「2018年3月末まで」、運搬先は「辺野古沖合」と記載されていたという。
通常、県の各土木事務所が申請を受け、審査し、土木事務所長の名前で許可を出すことになっている。
審査に平均2〜3週間を要するところ、2カ月以上かかったことに、県港湾課は「辺野古に関する工事のため、北部土木事務所だけでは対応できず、本庁と処理方針を調整する必要があった」と回答。
許可の理由について「港湾関連法に基づいて審査した結果、許可すべきだという判断にいたった」と述べた。
防衛局は、作業の効率化を目指し、名護市辺野古の大浦湾側の「K9」護岸先端に船を接岸させ、石材などを海上からも搬入させようと計画を進めている。
県は10月31日付の照会文書で「承認願書ではK9護岸に船を接岸させ、資材の海上運搬することは予測されていない」と指摘していた。
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/165599
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