指定暴力団工藤会(北九州市)の「上納金」を巡る脱税事件で、所得税法違反の罪に問われた
工藤会トップで総裁の野村悟被告(71)と同会幹部の山中政吉被告(66)の第2回公判が
21日、福岡地裁(足立勉裁判長)であった。工藤会の元組関係者の証人尋問があり、
「工藤会系組長が、大手パチンコ店運営会社側から5千万円を受け取ったと聞いた」と証言した。
元組関係者は、当時身を寄せていた工藤会系組長と、組を支援する団体との連絡役だったという。
この日は、別室からモニターを通じて証人尋問に応じた。
証言によると、工藤会の影響下にあった地域にパチンコ店が新規出店する際には、1台当たり
10万円の「あいさつ料」を受け取っていたという。
2005年には団体幹部が、福岡県豊前市に出店を計画していたパチンコ店の運営会社に
「あいさつ料」を要求。幹部が運営会社の代理人とされる人物に会い、
「あいさつ料を用意しなければ話は進まんよ」などと求めた。
後日、代理人から断られると、幹部は「とても応じられない。何とか頑張ってくれ」とさらに迫った。
その後、代理人から「お金を出す」と連絡があったといい、「幹部が現金5千万円が入った紙袋を
受け取り、組長に渡したと聞いた」と述べた。
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