<社説>米軍機通過後、落下物 「普天間」を即時閉鎖せよ
果たして米軍は、日常的に実効性ある整備点検を実施できているだろうか。
繰り返される機体からの部品落下事故などは、米軍の整備態勢に致命的な欠陥があることの証明にほかならない。
宜野湾市の普天間バプテスト教会付属緑ケ丘保育園のトタン屋根に、プラスチック製の筒状の物が落下した。米軍CH53大型輸送ヘリコプターが落としたと見られる。
危険な米軍普天間飛行場を閉鎖することでしか、住民の安全を守れないことを今回の事故は改めて浮き彫りにした。直ちに閉鎖すべきだ。
宜野湾署によると、落下物の長さは約9・5センチ、直径は約7・5センチ、厚さは約8ミリ、重さは213グラム。
教会関係者によると、落下当時、1歳児クラスの8人と職員2人がいた部屋の上のトタン屋根で大きな落下音がした。園庭では園児約50人が遊んでいた。
落下地点は園庭から50センチしか離れていない。万が一、園児に当たれば、大事故になった恐れがある。米軍に強く抗議し、全ての訓練の即時中止を求める。
米軍機の事故が今年もなくならない。5月には、米軍嘉手納基地所属のF15C戦闘機が重さ2・3キロ、長さ約20センチ、幅約13センチの部品を紛失した。
11月末には、嘉手納基地に暫定配備されている最新鋭ステルス戦闘機F35Aが訓練飛行中に高さ約30センチ、長さ60センチ、重さ約450グラムのパネルを落下させる事故があったばかりである。
沖縄防衛局はF15C戦闘機の部品落下事故の際、米側に遺憾の意を伝え、原因究明と再発防止策を求める文書を送った。
その後も事故がなくならないのは、米軍が有効な安全対策を確立できていないためである。
事故がこれだけ頻発するのは、組織が劣化しているからではないか。
1965年には、読谷村で米軍のパラシュート投下訓練中に小型トレーラーが民家近くに落下し、小学5年生の女児が亡くなっている。72年には宜野湾市の沖縄国際大学に米軍機から燃料タンクが落下した。
2004年にはCH53が沖国大に墜落し、昨年12月には名護市の沿岸にオスプレイが墜落している。
今年10月にはCH53が東村の民間地に不時着し、炎上した。
事故の多さをみれば、米軍は沖縄の空を飛ぶ資格をとうに失っている。
それでも、米軍は訓練飛行を強行し、日本政府は「安全への最大限の配慮を求めた」とし、訓練を容認している。
頻発する米軍機の墜落や部品落下事故の背景には、米軍という組織の構造的欠陥と、日本政府の県民の安全を軽視する姿勢がある。
米軍ではなく、県民の暮らしこそ優先すべきだ。
米軍が「運用上必要」とすれば、全ての訓練が認められる状況にいい加減、終止符を打つ必要がある。
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