<金口木舌>「自作自演」は誰か
自国民より米軍を信じているのか。米軍ヘリの部品が見つかった緑ヶ丘保育園に「自作自演だろう」などと誹謗(ひぼう)中傷する電話やメールが相次いでいることが、東京でも話題になっている
▼米軍はCH53Eの部品と認めた一方で「飛行する機体から落下した可能性は低い」としたことが要因とみられる。園長は「メールの内容を見ると、何も知らない内地(本土)の人だろう」と全国紙に話した
▼ただ、東京では沖縄の訴えに応える動きもある。
先月25日、沖縄の基地を引き取る会・東京は、基地の県外移設を主張する知念ウシさんを都内に招き、集会を開いた。
「基地集中は沖縄への差別」という知念さんの訴えに、約100人が耳を傾けた。参加者は徐々に増えているが、壁はまだ厚い
▼基地問題に比較的関心のある全国紙の記者でさえ、「差別」や「自己決定権」を言われると「引いてしまう」と口にする。
「連帯を広げるには、もっと本土の人の心に届く表現を」というのだ
▼満員電車で足を踏まれ「痛いからどけて」と言ったら「その表現では心に響かない」と注意されたような気分になる。
負担の大半を沖縄に押し付けている責任への自覚がない
▼「差別」などの沖縄の叫びになぜ「引く」のか、自身の問題として考えてほしい。
表現の変更を促すのは、当事者意識を欠く証拠。
叫びが届かないのは、一義的には本土側の問題だ。
https://ryukyushimpo.jp/column/entry-634705.html