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大阪府寝屋川市の自宅に長女の柿元愛里さん(33)の遺体を放置したとして両親が死体遺棄容疑で逮捕された事件で、精神疾患を患い、両親に監禁されていたとされる
愛里さんについて、障害者手帳の申請手続きが取られていなかったことが26日、寝屋川市への取材で分かった。手帳で可能になる福祉サービスなどを受けることもなく、
病院も長年受診していなかったとみられる。大阪府警は監禁の実態について調べる。
府警によると、死体遺棄容疑で逮捕された父親の会社員、柿元泰孝(55)と母親の由加里(53)の両容疑者は、「精神疾患を患い、暴れるようになったので16?17歳ごろから
自宅内の間仕切りした2畳間に監禁していた」と供述。「勝手に外に出ると危険なので、室内で療養させていた」と説明している。
寝屋川市によると、愛里さんが精神障害者保健福祉手帳を市に申請した記録はなかった。手帳が交付されると障害の程度によって入浴介助など日常生活を送るための
さまざまな支援を受けられる。申請には医師の診断書などが必要で、病院で精神障害と診断されれば手帳の取得を勧められることが多いという。
一家は地域とほとんど関わることなく生活していたとみられる。近くに住む80代の男性は「40年ぐらい生活しているが面識がない。3人が暮らしていたとは知らなかった」と
驚いた様子。別の女性(43)は「自治会にも入っていなかったのではないか」と首をかしげた。
府警は、愛里さんが監禁されていた十数年間、外出することもなく、病院を受診して治療を受けることもほとんどなかったとみている。一方で障害者年金を受け取っていたといい、
監禁生活の実態について、両親を追及する。【山田毅、村田拓也】
https://www.excite.co.jp/News/society_g/20171227/Mainichi_20171227k0000m040168000c.html