まず申し上げたいのは、神社本庁の包括下にある神社で、政治活動に積極的にかかわっている神職は、
全体の1%ほどしかいないということです。
ほかは、神社本庁が改憲署名用紙を置いてほしいと言うから署名簿を置く。
選挙で誰かを応援してほしいと言うから応援する。
何となくやっているだけです。
それはなぜか。神職になるには神道学科のある皇学館大学や国学院大学、
または地方の神職専門学校で学び、
神宮や有力神社で研修をするのが一般的です。
このとき、上の方針に絶対逆らうなと徹底して教育されます。
上の方針を批判したり、変更したりすることは一切してはならない。
神社本庁が考える「伝統」のみが理想であるということ。
機関紙の「神社新報」をはじめ、
さまざまなルートでそうした「伝統」を刷り込まれるのです。
いまの神社界にいる限り、そうした全体主義から抜けることはできないでしょう。
神社本庁は、明治政府がつくった「国体」を日本の「伝統」と思い込み、
天皇を頂点とした家族主義的国家の実現を目指しています。
本来、多神教である神道には、一つの価値観や規律で国民を縛るという発想はありません。
神道の伝統をはき違えています。
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