古くはエジプトの女帝・クレオパトラが、胎盤を食べていたという説が存在するなど、古今東西、女性たちに“美”をもたらすとされる秘薬の類は、
実にさまざまなものが存在している。しかし、かつて中国地方にかつて存在していたという「それ」は、現代の我々からすると、その効能がにわかに信じがたい、あまりに荒唐無稽な代物であったと言えるだろう。
「まあ、今じゃ作っているっていう話は聞かないから、もうみんなやめてしまったんだろうけれどもね、私が子どもの頃までは当たり前のように作っていたものだよ」
かつて当地に存在していたという“美の秘薬”について、今回、かすかな記憶を頼りに証言してくれたのは、
現在もなお当地で暮らしているという農業・沢崎彦三さん(仮名・78)。沢崎さんの話によると、かつてこの地域では「“女性の若返り薬”を作る」と称して、にわかに信じがたい行為が平然と行われていたという。
「まあ、言ってしまえば、男の子のね、最初のモノを絞って作る薬だね。そう、色気づく頃になると出るでしょ? 要はアレをね、薬として使うっていう話」
沢崎さんの話を要約するとこうだ。少年たちが第二次性徴を迎え、やがて、初めての精通を経験する頃になると、村の大人たちはその射精を促し、
彼らにとって「最初の一滴」となる精液を「ありがたく頂戴する」(沢崎さん)のだという。要はこの時に採取した精液を材料に、“女性の美を蘇らせる秘薬”を作るという寸法だが、問題なのはその方法だ。
「“そろそろかな?”っていう頃合になるとね、その家の女衆がさ、よってたかって男の子のナニを弄繰り回すのよ。
大抵はその子の母親か、姉さんあたりがやることになっているんだけれどもね、女手がなけりゃあ、隣近所の女たちがそういうことをやる。
なにせね、その時に出たモノの所有権はね、出させた女にあると決まっていたものだから、
そりゃあもう、みんな必死になってやってたよ(苦笑)」
少年たちにとって最初の射精を、あろうことか、強引な形で行おうと躍起になる村の女たち。とはいえ、“その時期”が近づいているとはいえ、
すべての少年たちが造作なく射精できるとは限らず、いわゆる“手コキ”だけで上手くいかないときは、自らも彼らの前で裸となり、
ぴったりと寄り添うような形で、“かなり濃密なペッティング”も平然と行われていたという。
「今にして思えばとんでもねえ女たちだなって思うけれども、かくいう私もそういうことを経験して大人になったものでね。
まあ、ある種の通過儀礼みたいなものだと思って、今では納得しているよ(苦笑)」
無論、妊婦が出す初乳とは違い、その“効果”という点において、小首を傾げざるを得ない少年たちの精液。性に対して、
どこか臆病な部分もあるような繊細さを持つ思春期の少年相手の蛮行だけに、彼らの胸中を察すると、なんとも胸の痛くなる話である。
(取材・文/戸叶和男)
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