龍馬宛て、桂の手紙原本を発見 倒幕「大舞台」の決意促す
2018年04月12日 19:31
高知県立坂本龍馬記念館(高知市)は12日、幕末期の大政奉還前に、
長州藩の桂小五郎(木戸孝允)が龍馬に宛てた手紙の原本が見つかったと発表した。
倒幕全体を能の「大舞台」、大政奉還を「狂言」に例え、土佐藩の決意を促す内容。
複製で知られていたが、原本の所在が分からなかった。21日から同館の常設展で公開する。
同館の三浦夏樹学芸員によると、1867(慶応3)年9月4日付。
長崎にいた龍馬に宛てたもので、縦約17センチ、横約286センチ。
手紙で桂は、「狂言」が失敗すれば「大舞台の崩れは必然と存じ奉り候」と指摘。
大政奉還を着実に進めながら、徳川将軍家との武力衝突も想定し、
土佐藩の板垣退助と薩摩藩の西郷隆盛の協力が「最も急務」と説いている。
龍馬は手紙をもらった後、独断で土佐藩に買い取らせるための
ライフル銃を千丁以上購入し、藩の重役に倒幕への覚悟を求めたという。
筆まめで知られる龍馬の手紙は100通以上が現存しているが、
龍馬宛てのものは今回で7通目。昨年、京都市の古美術商が売りに出しているのが判明し、
同館を運営する高知県文化財団が近く650万円で購入する。
三浦学芸員は「各藩の駆け引きが分かる貴重な史料。龍馬は各地を巡っており、
自分宛ての手紙の多くを処分したのではないか」と話している。