この記事を読むと心が痛むかもしれない。携帯電話やノートPC、ハイブリッドカー、電気自動車。
どれかを持っているなら、座ってじっくり読むべきだ。
地域紛争の資金源獲得のため、ダイヤモンドや鉱物資源が採掘されている話は聞いたことがあるだろう。
また、アップルなど、大手テック会社が消費者向の自社製品に使われる原材料の産出地を選別しようと
している(政府に命令される場合もあるが)ことも多少は耳にしているかもしれない。
だが「グローバリゼーション」や「サプライチェーン」、「劣悪な労働環境」といった話は、
どこか遠くの世界や単に学術的な話に聞こえてしまう。
ワシントンポスト紙は広範囲にわたる取材と悲痛な真実を連載記事で描き出した。
中国北東部にある黒鉛工場近くに住むユ・ユアンを例にしてみよう。動画内でユアンは自宅の窓枠に
積もったチラチラと光るススを拭って、荒れたトウモロコシ畑を指差した。作物は黒鉛のチリで黒く
染まり十分に育たない、とユアンはいう。ユアン夫婦は自分たちが吸う空気や、飲めなくなった水を
嘆いている。黒鉛工場が廃棄した化学物質によって汚染されたのだ。
「あの工場がすっかり滅茶苦茶にして、ここにはもう何もないのです」
https://www.technologyreview.jp/s/10639/the-human-cost-of-the-lithium-battery-revolution/