今月18日に発表される第159回芥川賞の候補作に選ばれた北条裕子氏の小説『美しい顔』に疑惑が浮上している。
東日本大震災から半年後の2011年11月に出版されたノンフィクション作家・石井光太氏の『遺体 震災、津波の果てに』(以降、『遺体』と表記)に似た部分が複数あるというのだ。
山梨県出身の北条氏は『美しい顔』がデビュー作で、文学界の新たな才能として注目。
『美しい顔』の主人公は東日本大震災で母親が行方不明になった女子高生。
弟との避難所生活の中で揺れ動く心を迫真の筆致で描き、今年5月、講談社が主催する群像新人文学賞で今年の受賞作にも輝いている。
受賞にあたって北条氏は「小説を書くことは罪深いことだと思っています。この小説はそのことを特に意識した作品になりました。
それは、被災者ではない私が震災を題材にし、それも一人称で書いたからです」とコメント、さらに「私は被災地に行ったことは一度もありません」と意外な事実も明かしている。
被災地に足を踏み入れることなく想像力で紡いだ、この"震災文学"を審査員は高く評価。
高橋源一郎氏は「作者は、それがどんなに過酷な体験であったかまるでドキュメンタリーのように詳細に描いていく」と講評した。
AbemaPrimeが独自に調べたところ、『美しい顔』の本文中、遺体安置所の場面で10カ所の表現、遺体の確認方法など7つの設定が『遺体』に類似していた。
例えば『美しい顔』には、主人公が母親を探しに訪れた遺体安置所で、壁に貼られていた「遺体リスト」を見る場面がある。
いかそ
芥川賞候補作「美しい顔」、ノンフィクションとの類似表現が独自検証で10か所超 それでも"著作権侵害"を問うのが難しい理由
https://www.huffingtonpost.jp/abematimes/nonfiction-20180704_a_23474185/