麻原元死刑囚の「遺骨」めぐり遺族の間で火種、「引き取り手」は誰になるの?
死刑が執行されたオウム真理教元代表、麻原彰晃こと松本智津夫元死刑囚の遺骨をめぐって、妻や子どもなど、親族間で「争奪戦」が起きるおそれが心配されている。
報道によると、法務省は、松本元死刑囚から事前に示されたという意向にもとづいて、四女に遺骨を引き渡す方向で話をすすめていたが、
四女側が「身の危険を感じる」として、すぐに受け取らないとしたため、遺骨は当面の間、東京拘置所で保管されることになった。
一方、三女は7月9日、ブログを更新した。「父が四女を遺体の引取先として指定したという話について、父が東京拘置所の職員と
意思疎通ができなかったという客観的な事実からも、作られた話ではないかと感じております」とつづった。遺言状はないという。
三女側は、元死刑囚の妻に遺骨を引き渡すようもとめているようだ。遺骨の引き取りをめぐっては、一般家庭でもトラブルに発展することが少なくない。
三女は「争いは生じていない」と強調するが、今後の展開次第では争いに発展するおそれもある。
四女の代理人は7月11日、記者会見を開いて、遺骨をパウダー化して、太平洋の不特定地点に散骨する考えを明らかにした。
はたして、本人が亡くなったあと、遺骨は誰のものになるのだろうか。村上英樹弁護士に聞いた。
●埋葬されている遺骨のルール
「古くからある判例の考え方では、遺骨にも『所有権』があるとされていますが、法律上、『誰のものになるのか』という明文の規定はありません。
学者によって、考え方がわかれています。また、すでに埋葬されている遺骨と埋葬されていない遺骨でも、結論が異なってきます。
埋葬されている遺骨は、墳墓(お墓)に含まれるとされています。そして、墳墓(お墓)の所有権は、民法のルールで、『祭祀を主宰すべき者』が
承継するとなっています。その順番は、第1に『亡くなった人による指定』、第2に『慣習』、第3に『家庭裁判所の指定』とされています(民法897条)。
https://www.oricon.co.jp/article/498735/