原爆が投下された広島で生き抜く少年を描いた日本の漫画「はだしのゲン」の1巻から3巻までがアラビア語に翻訳、出版されました。
翻訳をしたエジプトの大学教授は、あらかじめ広島と長崎を訪れて原爆投下に関する理解を深めたということです。
漫画「はだしのゲン」は原爆投下後の広島を生き抜く少年を描いた作品で、これまでに20を超える言語に翻訳されています。
全10巻からなり、このうち1巻から3巻までがエジプトでアラビア語に翻訳、出版されました。
首都カイロで12日、記念の催しが開かれ、国際交流基金カイロ日本文化センターの深沢陽所長が「エジプトにとどまらず、アラビア語圏の人々すべてがこの作品を読めるようになったことをうれしく思います」と述べました。
翻訳を担ったのは、カイロ大学で日本語を教えるマーヒル・シリビーニー教授です。
シリビーニー教授は、3年前に1巻を翻訳しましたが、その後、広島や長崎を訪問して原爆投下に関する理解を深めたうえで、1巻の翻訳をやり直し、また2巻と3巻を新たに翻訳したということです。
会場では、早速3巻まとめて買い求め、シリビーニー教授のサインをもらう人の姿も見られました。
シリビーニー教授は、来年2月までに10巻すべてをアラビア語で出版したいとしていて「中東の人々に核兵器の恐ろしさを知ってほしい」と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180813/k10011574891000.html