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敗退覚悟、海に行くはずが…甲子園出て根尾から一発
君たちは、堂々と立ち向かった。春夏通じて甲子園初出場の沖学園(南福岡)は13日、春夏連覇を狙う
大阪桐蔭(北大阪)に負けた。「絶対王者」を相手に先取点を挙げ、中盤までは互角に渡り合った。
後半に打ち込まれて大量得点を許したものの、2本の本塁打で意地も見せた。この日終わった県勢の
100回目の夏。健闘をたたえたい。
五回、森島渉君(3年)が放った打球はレフトポールに直撃した。プロ注目の根尾昂(あきら)君(同)からの一発。
観客席がどよめいた。
公式戦初本塁打。派手なプレーは好きではない。大会前には「あたり前のプレーをあたり前に」と話すような
選手だったが、二塁ベース手前で右手を突き上げて、喜びを爆発させた。
5月の連休の試合でけがをし、復帰できたのは5月末。代わりの選手の姿に焦りも生まれた。「ノックを打って
下さい」とコーチに頭を下げてお願いした。
「まさか甲子園に行けるとは」。南福岡大会の組み合わせは、ノーシードで、甲子園経験がある強豪がずらりと
並ぶブロックに入った。海やプールに行く計画を立てていた。
主将の阿部剛大君(同)も同じ気持ちだった。東福岡戦の前日には「明日で引退だ」と後輩に打撃用の手袋を
渡した。試合前夜には「引退式の保護者の前で言う言葉」を考えていた。
そんな阿部君は、5点差を追う八回に打席に入った。思いっきり振り抜き、「高校で1番の当たり」という打球は
浜風に乗って、左翼席に吸い込まれた。
「どこまで通用するのか楽しみ」。試合前に選手たちが言った、この日の試合。春夏通算51勝目となった
大阪桐蔭の西谷浩一監督は試合後、「思い切ってスイングしてきて、粘り強いチームだった」と認めた。
森島君も阿部君も中学校は福岡市内の野球部でプレーし、目立った成績は残していない。それでも甲子園で
1勝し、優勝候補相手にくらいついた。「勝つごとにチームは一つになった」と鬼塚佳幸監督。「楽しくプレーできて、
自分たちの強打も見せられたと思う」と森島君は胸をはった。(角詠之)
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