カタログ通販大手ディノス・セシール(東京・中野)は人工知能(AI)が電話に応答し注文まで完結する国内初のシステムを2019年3月に導入する。
待ち時間を減らして顧客の満足度を高めると同時に、オペレーターを問い合わせ対応などに振り向ける。人手不足が深刻になるなか、
AIとの「分業」により限られた人員を有効活用する動きが広がってきた。
このシステムでは顧客が電話で「テレビで放送していた掃除機がほしい。色は青で」とあいまいな表現で伝えても、AIが内容を分析して
「××社製ハンディー掃除機ですね」といった具合に自然に受け答える。送付先住所や支払い方法なども聞き出し、
オペレーターが介在しなくても注文が完結する仕組みだ。
ディノス・セシールは複数のテレビ通販番組で商品を販売しており、番組放送時には350人のオペレーターに対して5000件以上の電話が入る。
オペレーターにつながるまで数十分待たなくてはならないこともあり、途中で電話を切る消費者もいたという。
■オペレーターの負荷は5割減
単純な受注業務をAIに代替させることでオペレーターの業務負荷を5割減らせる見通しで、その分を問い合わせなどに回す考え。
両社は19年中に外部の通販会社への販売も始める計画だ。
オペレーターの人手不足は深刻だ。コールセンターが集まる沖縄労働局の調査によると、「電話応接事務員」の17年度の有効求人倍率は4.7倍で、
5年で0.85ポイント上昇した。顧客との接点となる重要な拠点となるだけに、効率を高める必要に迫られている。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO37920580Z11C18A1000000/?n_cid=NMAIL007 コールセンターは慢性的な人手不足に陥っている