福岡県警は22日、転売目的で化粧品や医薬品を万引したとして、窃盗や窃盗未遂などの疑いで、
いずれもベトナム国籍で元技能実習生の男女6人(23〜30歳)を逮捕したと発表した。
6人は低賃金が不満で実習先を抜け出し、窃盗団を結成したという。
逮捕容疑は共謀して4月26日、同県宗像市のドラッグストアで化粧品など28点(計約10万4千円相当)を盗もうとしたほか、
北九州市八幡西区の商業施設で衣料品など4点(計約1万9千円相当)を
盗むなどした疑い。大筋で容疑を認めているという。
県警によると、6人は2012〜16年、建設業や農業の実習生として関東や関西、九州、沖縄で別々に勤務。
実習先から抜け出した後、会員制交流サイト(SNS)を通じて愛知県内で知り合った。
「実習生は思っていたより賃金も残業代も少なかった。このままでは(来日のための)借金を返せないと思った」などと話しているという。
盗品はSNSを使ってベトナム人向けにオークション形式で購入を呼び掛け、最高値を付けた客に関東の業者を通じて発送していた。
6人が開設した銀行口座には数百万円の入金があり、転売による売り上げとみられる。
動機について県警は生活費や母国への仕送り目的だったとみている。
関東や関西でもベトナム人グループによる万引事件が発生。
6人のうち一部は「福岡県内で他に10件ほどやった」と話しており、県警は関連を調べる。
中国人抜き摘発最多 国別、昨年5140件に急増
外国人犯罪のうち、ベトナム人の摘発件数は近年急増、昨年は全国で5140件(前年比1963件増)に上り、
2位の中国人を439件上回って、統計が残る1989年以降、国籍別で初の最多となった。
警察庁によると、昨年の外国人摘発件数は1万7006件(同2873件増)。
ベトナム人の摘発が約3割を占め、罪種別では窃盗が3080件と最も多かった。
福岡県でもベトナム人の犯罪が増加。2016年の外国人摘発数694件(同214件増)のうち113件(同13件増)を占め、38件が窃盗だった。
法務省によると、全国の在留ベトナム人は26万2405人(昨年末現在)に上り、前年同期に比べて6万2415人増。中国人は73万890人(同)。
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