
台湾総統 中国の「1国2制度」を拒否 防衛能力強化の考え
台湾の蔡英文総統は、中国の習近平国家主席が今月、台湾統一の在り方として、香港などで実施している
「1国2制度」を示したことについて、受け入れられないとしたうえで、武力行使も排除しないとする中国に対抗するため、
防衛能力を強化する考えを示しました。
中国の習近平国家主席は今月2日、台湾政策について演説し、香港などで実施している「1国2制度」が最良の形だとして、
統一の在り方を模索する考えを示しました。
これについて、台湾の蔡英文総統は5日、台北市内で海外の報道機関の取材に応じ「中国は、民主的な体制が
不十分で、人権状況もよくなく、台湾への武力行使を放棄していないため、『1国2制度』を拒否する」と述べて、
受け入れられないという考えを示しました。
そのうえで、「中国が武力行使を放棄しない中、防衛をしっかりしたものにしなければならない」と述べて、
武器の自主開発を進めるなどして防衛能力を強化する考えを示しました。
そして、「台湾の防衛力強化に協力してくれる国々と共に取り組みたい」として、台湾への武器売却などを進める
方針を示すアメリカに加えて、日本を含む各国との連携にも意欲を示しました。
蔡総統が、海外の報道機関だけを対象に取材に応じるのは異例で、中国が経済や外交などの分野で圧力を
強めて蔡政権の孤立化をはかろうとする中、台湾の立場を訴え、国際社会の支持を取り付けたいものとみられます。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190105/k10011768601000.html