イギリス議会は15日、EU=ヨーロッパ連合からの離脱の条件を定めた離脱協定案を反対多数で否決しました。
政府は、議会に対し、3日以内に代替案を示さなければなりませんが、
有効な案を示せるかどうかは不透明で、メイ首相は、さらなる苦境に追い込まれています。
イギリス議会は、去年11月、メイ政権がEUと合意した、離脱の条件を定めた協定案について、
15日夜、日本時間の16日朝、採決を行い、賛成202票、反対432票の反対多数で否決しました。
離脱協定案の否決を受け、政府は3日以内に代替案を議会に示す必要があります。
メイ首相はEUと改めて協議をし、何らかの譲歩を得て再度、議会に諮るものとみられていますが、
議員が納得できるだけの譲歩を得るのは難しい情勢です。
また、3月に迫る離脱を延期して、EUと再び交渉を行い、抜本的な修正を求めるべきだという意見や、
改めて国民投票を実施するよう求める声も出ていますが、いずれも容易ではないとみられます。
メイ首相はEUと何の取り決めのないまま離脱する「合意なき離脱」を避けたい考えですが、
3月の離脱を前に見通しは不透明で、さらなる苦境に追い込まれています。
メイ首相 野党と代替案探る
離脱協定案が、200票以上の大差で否決されるという歴史的な敗北を受けて、
メイ首相は、すぐに議会に対して今後の対応についての考えを明らかにしました。
その中でメイ首相は「敗北を受けて、この政権に対し不信任を問う場合にはあす、議論をする機会を設ける」と述べ、
野党が内閣不信任案を提出した場合には、翌日、採択にかける意向を示しました。
そのうえで、閣外から協力を得ている北アイルランドの地域政党や野党各党と会談し、
どのような代替案であれば支持を得られるのか直接、意見を聞いたうえで、EUと再び協議を行いたいという考えを明らかにしました。
さらに、メイ首相は、このまま合意なきまま3月29日の離脱の日を迎えることは政府の戦略ではない、とし、
国民投票で離脱を選択した国民の意思は必ず実現させると強調しました。
英議会 EU離脱協定案を否決
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190116/k10011779201000.html