
厚生労働省の「歴史的不祥事」による被害が広がっている。毎月勤労統計の不正調査問題で、
雇用保険の失業給付などの過少受給者が延べ2015万人に拡大したのだ。厚労省は当初、1973万人と発表していた。追加支給の関連費用は約800億円に上るが、
支払いには、保険料が原資の特別会計を充てることが想定されている。来週24日に行われる衆院厚労委員会の閉会中審査は、大荒れ必至だ。
「今回は行政の不適切な対応が原因。その結果、発生した事務費まで労使の保険料を使うのは納得いかない」
17日に開かれた労働政策審議会(厚労相の諮問機関)の部会で、
労使代表の委員はこう批判した。それほど、厚労省の対応はお粗末極まりない。
厚労省は11日、過少受給を受けた追加支給対象者を延べ約1973万人と発表した。だが、
問題を受けて18日に閣議決定をやり直した2019年度当初予算案では、2015万人に膨れていた。
過少受給者に対する追加給付の費用総額は、何と約800億円に上る。
内訳は、追加給付に564億円、給付遅れで受給者が失った金利などを穴埋めするための費用として37億円を用意する。
さらに、追加給付に向けたシステム改修など事務費は195億円と見込まれている。
追加給付費の捻出にあたっては、企業や労働者が支払う保険料が原資となっている雇用・労災保険の特別会計が検討されている。
厚労省の失態で生じた費用なのに、一般国民の保険料が充てられようとしているのだ。
与野党は17日、衆院厚労委で24日に閉会中審査を実施することで合意した。参院厚労委も日程調整を続けている。
政府は、鈴木俊彦厚労事務次官(59)ら関係者の懲戒処分を検討しているが、不正調査は04年から続いており
、民主党政権時代を含めて「歴代厚労相」の責任は重い。「知らなかった」では済まされない。
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