中国、景気悪化で労働者の抗議活動が急増
経済成長が28年ぶりの低水準となった中国では、各地で労働者による賃金未払いを抗議するデモが増えている。景気鈍化により、労働者の生活が一段と厳しくなった。米紙ニューヨーク・タイムズが6日伝えた。
同報道によると、広東省深セン市にある電子製品メーカーの従業員が1月に抗議デモを行った。ある従業員は、工場側は総額3000ドル(約33万円)の賃金を支給していないと主張し、食糧などを買えず生活苦になっていると訴えた。
報道は、個人消費の低迷や米中貿易摩擦の未解決で、中国の景気悪化が一段と進んでいるとの見方を示した。これを背景に、中国各地で、労働者やタクシー運転手などが賃金未払い、待遇改善を求めるデモを展開した。中には給料を支払わなければ飛び降り自殺すると訴える建築労働者もいた。
ニューヨーク・タイムズは香港に本部を構える「中国労工通訊(China Labour Bulletin)」の統計を引用した。統計によれば、昨年中国国内では少なくとも、約1700件の労使紛争が起きた。前年の2017年と比べて500件増加した。中国当局の厳しい報道規制により、多くの抗議活動は報道されていないという。
中国当局は、社会不安の広がりが政権崩壊につながるとみて、抗議デモ参加者への締め付けを強化している。中国労工通訊によれば、当局は昨年8月以降、約150人以上を拘束した。抗議デモに参加したタクシー運転手や教師、建築労働者、学生などだ。
1月20日、中国当局は深セン市で、「公共秩序を乱した」として労働者権利活動家5人を逮捕した。
中国労工通訊のジェフリー・クロソール(Geoffrey Crothall)氏は、中国当局は「大規模な抗議活動が起きないよう、さらに厳しい措置を講じるだろう」と述べた。
米中国語メディア「新唐人」1月23日付によると、中国労工通訊の統計では昨年10月1日以降、製造業が多く集まる深セン市だけで、労働問題をめぐる労使紛争は少なくとも17件発生した。
いっぽう、在米中国経済学者の程暁農氏は6日、大紀元中国語版に寄稿し、中国経済をけん引する「個人消費、投資、輸出」が不調であっため、2018年中国経済の失速は「持続不可能な繁栄の予測できた結果」だったと強調した。
昨年12月、中国人民大学の向松祚教授は講演で、「ある重要な研究機関の統計によれば」、2018年の中国経済成長率は実際1.67%で、他の試算方法ではマイナスの結果になっていると述べた。
程暁農氏はこれについて、「1.67%とマイナスの数値を平均にしたら、ゼロ成長だった可能性もある」との見方を示した。
https://www.epochtimes.jp/2019/02/40129.html