県内のほとんどの高校で卒業式が行われた1日、水俣市の水俣高校では、83歳の女性が念願の高校卒業を成し遂げました。
水俣高校の卒業式には、およそ150人の卒業生が出席し、水俣市の主婦、尾関榮子さん(83)も式に臨みました。
昭和10年に水俣市で生まれた尾関さんは、市内の中学校を卒業しましたが、5人きょうだいの3番目で、下に弟と妹がいるため、親の経済的負担を考えて高校進学をあきらめた
ということです。
その後、結婚し、名古屋市で夫と息子と暮らしていましたが、2人が亡くなった後、水俣市に戻り、80歳を機に夢だった水俣高校への進学を決めました。
進学したのは、15歳を超えていれば年齢に上限はない定時制の商業科で、尾関さんは3年間欠席なしの皆勤だったということです。
尾関さんは、式で卒業証書を受け取り、「仰げば尊し」を歌いながら涙をぬぐっていました。
尾関さんの担任の奥羽卓朗教諭は「勉強熱心で、何でも吸収しようという気持ちがとても強い方でした。3年間休まなかった小関さんが来なくなるのはさびしいです」と話してい
ました。
尾関さんは「この年で高校に入ることに迷いはありましたが、思い切って通ってみて、卒業できてよかったです。高校では、勉強だけでなく、若い先生や生徒と毎日話せるのが楽
しかったです」と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kumamoto/20190301/5000004648.html