【北京=西見由章】中国広東省の江門市中級人民法院(地裁)は30日、覚醒剤を密造したなどとして
薬物製造・販売罪に問われたカナダ人の被告に死刑判決を言い渡した。カナダ政府が
通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)幹部を逮捕した昨年12月以降、中国で死刑判決を
言い渡されたカナダ人被告は少なくとも2人となった。
中国当局はこのほか「国家安全に危害を与えた疑い」でカナダ人男性2人を拘束するなど司法・
通商分野でカナダ政府への圧力を強めており、今回の判決もその一環の可能性がある。
同法院の発表によると、カナダ人のほか米国人1人、メキシコ人4人を含む計11人の被告は
2012年7〜11月、広東省台山市の薬物製造拠点で覚醒剤約63キロを製造、販売するなどした。
犯行を主導したと認定したカナダ人と中国人の計2人に死刑を言い渡し、米国人とメキシコ人4人は
2年間の執行猶予付き死刑または無期懲役とした。
カナダ人被告の刑事訴訟をめぐっては薬物密輸罪に問われ、昨年11月の1審判決で
懲役15年を言い渡された男性がわずか2カ月足らず後の今年1月に差し戻し審で死刑を
言い渡される異例の展開となっていた。
カナダ司法当局は華為の副会長兼最高財務責任者(CFO)、孟晩舟被告について3月1日、
米国への身柄引き渡し手続きを進める許可を出し、中国側が反発を強めている。
https://www.sankei.com/world/news/190430/wor1904300012-n1.html