米、中東に空母打撃群派遣 イラン軍に攻撃準備の兆候
【ワシントン=住井亨介】ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は5日、原子力空母エーブラハム・リンカーンを中心とする空母打撃群と爆撃部隊を中東地域に派遣すると発表した。
ボルトン氏は声明で派遣を「(事態が)悪化する多くの兆候と警告に対応するもの」とし、AP通信は6日、米国防総省当局者の話として、イラン軍やイランが支援する武装勢力による米軍などへの攻撃準備が見受けられたためと報じた。
声明は、派遣理由を「米国と同盟国の権益に対する攻撃には容赦なく実力を行使するという、明確で間違えようのないメッセージをイランに送るため」と説明。
「米国はイランとの戦争を望んでいない」としつつも、「代理勢力や(最高指導者直属の)革命防衛隊、通常のイラン軍によるいかなる攻撃にも対応する万全の準備をしている」と強調した。
欧州歴訪中のポンペオ米国務長官は6日、記者団に対し、イランが支援するレバノンのイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラなどによる攻撃について、「イラン指導部に直接責任があるとみなす」と述べた。
昨年5月にイラン核合意から離脱した米国は、今年4月に革命防衛隊を「テロ組織」に指定し、今月2日にはイラン産原油の全面禁輸に踏み切った。