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松下政経塾の後輩、物江潤氏が新著『ネトウヨとパヨク』(物江潤著・新潮新書)を出版した。
本書はネトウヨ、もしくはパヨクと呼ばれる「対話不能な人」の実態や問題点を説明した上で、彼らはネット上だけでなく、日常生活をする中にしばしば出会う存在であることを具体的事例をあげながら説明する。
物江氏になぜそれが可能なのか。
「松下政経塾に所属していたこともあって、極端な意見を持つ厄介な人たちに絡まれることもしばしばありました」
ああ、わかる、わかる。
物江氏の思想のしなやかさは、理由もなく突然ふっかけられる対話のルールが通じない人々のサンドバックと散々なってきたからなのである。
例えば、丸山穂高衆議院議員が松下政経塾出身とわかると、「松下政経塾出身者は皆、戦争好きとか、マッチョ」だと言って聞かない。
「いやいや、出身者にもいろんな人がいますよー」と反論しても、「そんなわけない」「そう見せているだけ」
と主張して自説は決して曲げることはしない人々の、時には悪意とだけは思えない言動を観察していくとそこにある社会のある側面が見えてくる。
途中、声をあげて笑ってしまった場面がいくつもある。選挙活動を手伝えながら物江氏が政治家の姿を冷静に分析しているところもそうだ。
「強い政治的な主張をもつ、対話のできない人」は、現実社会でしばしば孤独であり、そのために必ずしも活発な活動ができませんでした。
しかし、ネット上に活動の場を移せば、この孤独は解消されます。説得力に乏しい主張(断言)という欠陥に続き、孤独に陥ってしまうという難点も、ネットによって解決できてしまったわけです」(p95)
複雑化する選挙や政治の断層、世代間、特に10代が置かれている対話の環境、まさに「右」でも「左」でもない「無知」を生む足元を、今一度見つめるための、最良のテキストである。
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