https://www.kobe-np.co.jp/news/miki/201905/0012333786.shtml
兵庫県加西市常吉町の県立農業大学校で、ミニトマトを作る元デザイナー西本圭太さん(37)=同県三木市=と、イチゴを育てる元警察官井藤絵美さん(37)=加西市=が、9月からの新規就農を目指し1年間の研修に励んでいる。
2人とも子育てと両立させながら、おいしさを追求するため全力投球。無料のビニールハウス2棟を借り、同校指導員に教えを請うて出荷作業に努める。
同校は1995年から、県内での就農希望者(おおむね45歳以下)を年間5人受け入れてきた。
これまでに修了した75人のうち55人が就農。2018年度は37歳〜51歳の男女5人が在籍し、9月から1年間、野菜や果物の栽培や販売、経営ノウハウを学んでいる。
西本さんは三木市内の山田錦の兼業農家に生まれた。(略)4年前、大学時代から温めていた「農業とデザインの融合」を実現するため、家族を連れて神奈川県から三木市内の実家に戻った。(略)
10月からは三木市吉川町吉安の直売所「山田錦の館」でミニトマトを販売。パッケージは自前でデザインした。皮が薄くてサクランボのような食感が人気を集める。
「サラリーマン時代よりも作って売る喜びをじかに感じることができる」と充実した日々を送る。卒業後は自宅近くにビニールハウスを建て、独立する。
加西市生まれの井藤さんは高校卒業後、憧れの警察官になったが、現実は理想と違った。(略)
15年にトマト農家の真輔さん(41)と結婚。栽培を手伝ううちに「自分の作物で勝負したくなった」。18年3月、西脇市明楽寺町の篠田いちご園で研修生となり、同年9月、農業大学校の門をたたいた。
9月に苗を植え、11月末に収穫を始めた。見栄え良く、傷つけないように気を使う箱詰めは重労働。最も忙しい時は午前4時から出荷作業をこなし、一度自宅に帰って子どもを送り出してまたハウスに戻った。
努力が報われ、姫路市と加古川市のスーパーなどから予約の電話が次々に入るほどの売れ行き。
(略)
同校は24日まで願書を受け付けている。定員は5人。就農希望者には国の補助金(年間150万円)もある。同校TEL0790・47・2445