「消えた留学生」と題してお伝えしてきた東京福祉大学の問題で、国が異例の厳しい対応に乗り出しました。
大量の留学生が所在不明となった責任は重大として、新たに入学する研究生と呼ばれる「非正規」の
留学生には在留資格を出さないことを決めました。
「ひとクラス４０人ぐらいいたけど、卒業するときは半分くらい」（東京福祉大学の研究生）
文科省と出入国在留管理庁が公表した調査結果によりますと、東京福祉大学では、正規の留学生も含め
２０１６年度からの３年間にあわせて１万２０００人近くを受け入れていましたが、所在不明は１６１０人、
退学は７００人、除籍が１７８人に上っていました。このうち、特に多くを占めたのが研究生と呼ばれる非正規の
留学生で、所在不明が１１１３人、退学が２９２人、除籍が１６２人でした。人数は明らかにしませんでしたが、
不法残留も増えたとしています。
文科省と入管庁は、職員の確保をしないまま日本語能力の低い学生などを多数受け入れ指導も
不十分だったと指摘し、大学の責任は重大として、東京福祉大学に対し、新たに入学する研究生について、
当面、在留資格を認めないことを決めました。国が大学に対し、留学生の受け入れを制限するのは初めてで、
来月末までに改善計画を提出するよう求め、私学助成金の減額や不交付も検討します。
「多数の留学生の安易かつ不適切な受け入れや不十分な在籍管理が、大量の所在不明者、不法残留者等の
発生を招いていると認められた」（柴山昌彦文科相）
「こういった事態となったことは、大変遺憾であると考えています」（山下貴司法相）
東京福祉大学をめぐっては、系列の専門学校でも、定員を大幅に超える留学生を入学させていたことが
わかっていて、愛知県が調査を行っています。
文科省と入管庁は今後、他の大学でも在籍管理が著しく不適切な場合は、学校名を公表した上で留学生に
在留資格を与えない新たな制度を導入するとしています。
https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3696578.html
