この春、独特の芸風を引っ提げ、ひとりの女芸人が郷里に戻った。デビュー15年目の心機一転。福岡のお笑い界に新風を巻き起こせるか。
姓はモンロー、名はエロリン。金髪に真っ赤な口紅、うさん臭いほくろを描いて往年の大女優風を装い、「エロリン・モンロー」を名乗る女芸人、ツジカオルコさん(36)。
特技は「世界各国のあえぎ声の物まねや、全国のエロい地名を言えること」。服ではなく恥を脱ぎ捨て、突き抜けた「エロ芸」で笑いをとりにいく。
福岡市生まれ。短大卒業後に地元の銀行で働いた。そのころからお笑いを見るのが大好きで、市内の劇場へよく足を運んだ。
当時は、若手芸人がネタを競い合うNHKの「爆笑オンエアバトル」の全盛期。いまと違って、一人で活躍する女性のピン芸人はほとんどいなかった。だからこそ、火が付いた。
「ひとり暮らしは禁止で、他県へ出るのもダメ。門限ありという結構厳しい家でしたが、どうしても芸人になりたかったんです」
オンエアできないほどのバトルを家庭内で繰り広げ、親を説得した。笑いの本場大阪行きを勝ち取ったのは20歳のとき。よしもとの若手養成スクールNSC大阪校に入った。27期生。
笑いを学びながら、アルバイトで生活費を稼ぐ。そのひとつ、アダルトビデオ専門のレンタル店は、ネタの宝庫だった。世界中の作品を100本以上は見あさった。「お客さんは普通の人ばかり。店員の方がエロかったです」という職場環境をくぐり抜けながらネタを仕込み、芸を磨いた。
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https://www.asahi.com/sp/articles/ASM6K2RWJM6KTIPE001.html