米国防総省は先月1日にインド太平洋戦略報告書を発表した。トランプ政権が追求する世界戦略の大きさと範疇、
そして戦略環境の変化を理解しどのようにアプローチしていくのかを把握できる非常に良い報告書である。
この報告書は同盟国との協力を最優先の価値として想定している。
特に日本が米国の域内第1のパートナーという点を明確にした。
北朝鮮の脅威に対する部分を扱いながら日本の拉致被害者問題にまで言及するなど安倍政権に対し多く配慮している。
それにもかかわらず、報告書の内容を見ると韓国の安保協力パートナーとしての重要性と可能性に対する期待を読み取ることができる。
日米同盟をコーナーストーンと称したのに対し、韓米同盟をリンチピンという単語で表現した点は注目すべき部分だ。
米国は日本、オーストラリア、インドの4カ国(QUAD)を中心にインド太平洋戦略を導いている。
これは米国の新たな同盟戦略に起因する。中国に対する対応戦略を積極的に駆使できる国を中心に同盟戦略を新しく組んだのだ。
米国はインド太平洋戦略を中心に置いて主要同盟国を再評価している。
問題は米国と中国の間にある韓国の戦略と立場だ。
果たしてインド太平洋戦略への参加は韓国の国益に致命的損失なのだろうか。
トランプ政権の決然とした意志にもかかわらず、韓国政府は中国との衝突を懸念した末に積極的に支持したり参加することを躊躇してきた。
国際政治学の同盟理論のうち、巻き込まれ(entrapment)と見捨てられ(abandonement)という概念がある。
文在寅政権は米国が韓国を見捨てる可能性より米国と中国の激突に韓国が巻き込まれる可能性に大きな恐れを抱いているようだ。
しかしその結果が及ぼす影響は深刻だ。
米国と日本に現れている新アチソンラインの主張が徐々に普遍化しているからだ。
これは米中間の軍事的激突を避けるために朝鮮半島の外に米国の防衛線を後退させることも考慮しているという主張だ。
韓国の対中傾斜論もこの主張に力を加える要因だ。
韓国のためらう態度はTHAAD配備の時のような中国の報復を懸念するのはある面では理解できることだ。
だが同盟のビジョンと未来戦略を開拓するという次元から韓国の役割と地位の転落をこのまま放置してはいけない。
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