>>1続き
こうした展開が予想される中で、甘利明・自民党選挙対策委員長とともに、「国家経済会議」の創設を提言している
グループに属する同党の中山展宏・衆議院議員は、ホワイト国除外措置の検討について
「日本の国益が損なわれる安全保障上の問題を重視しているため」と説明する。
そのうえで「短期的に韓国、日本企業に打撃があることは承知している」との見解を示した。
中山氏が強調するのは、今回の除外措置が実施されれば、長期的にアジアの安全保障の確保を支援し、
日本企業がアジアで安全にビジネスを継続することが可能になるとの論点。
こうした観点から、自民党は短期的な打撃と長期的なメリットがどの程度になるのかシンクタンクに試算を依頼しており、
近く公表する方針という。中山氏はその試算結果などを踏まえ、企業の理解を得たいと説明した。
同氏らが創設を働きかけている国家経済会議は、安全保障と経済政策を一体とした政策として捉えることを前提としており、
韓国をホワイト国から除外する政策対応は、同会議発足後の対応を先取りしたかたちとも言える。
ただ、同氏は「ホワイト国除外といっても禁輸措置ではないため、企業に実害の少ない形で対応できる」と言及。
韓国側の対応次第では、柔軟に対応する余地があることをうかがわせた。
また、民間調査機関の中には「世界で半導体関連市場での需給がだぶついており、(ホワイト国除外の)影響は
さほど大きくないかもしれない」(日本総研・上席主任研究員・三浦有史氏)との見方もある。
ホワイト国除外の期間がどの程度になるのか、韓国の半導体メーカーが日本以外の国から早期に調達できるのかも含め、冷静な見極めが必要となりそうだ。