ウトロは土地所有を巡って長年揺れ続けたが、2017年に市営住宅1期棟が完成し、翌年から計40戸に約100人が暮らす。地域の歴史や実情を知ろうと、飯場跡や古い水路を巡るフィールドワークの参加者は多く、18年度は約千人。うち韓国からが半数を占める。
日韓関係の緊張で民間の催しにも影響が及ぶ中、ウトロ訪問のキャンセルはこれまで出ていないという。地区の集会所に常駐する金秀煥(キムスファン)さん(43)は「こういう時こそ萎縮せず疎遠にならないことが大切。平和や人権という普遍的な価値に向き合い、ウトロから発信できれば」と期待を込める。
12、13日にやって来たのは、韓国・世宗市の青少年活動振興センターの呼び掛けで集まった中高生ら計14人で、ウトロの住民や近隣の在日コリアンらが出迎えた。ウトロ町内会長の田中秀夫さん(71)=韓国名・徐光洙(ソガンス)さん=は「来てくれてうれしい。政府はもめていても市民同士は交流を」と強調する。
Tシャツ作り、韓国料理の振る舞い、ゲーム形式の韓国語講座…。参加者は2日間でさまざまなメニューを楽しんだ。
初めて来日したヨキョンミンさん(15)は「日韓関係は心配していない。人々は優しく、料理も作って一緒に食べられて楽しかった」と話した。
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