北朝鮮は8月10日、新たな飛翔体を発射し、「もう一つの新しい兵器システム」を完成させたと公表した。
■ 1.8月10日のミサイル発射情報は、米韓軍事同盟関係を揺るがす
なぜなら、朝鮮中央通信8月11日のミサイル発射の写真は、極めて衝撃的なものであった。
北朝鮮が公表した写真のミサイルと韓国軍が分析し推測した「KN23ミサイル」とは、全く異なっていた。
驚いたことに、北朝鮮が掲載したミサイルは、韓国陸軍も装備する米軍のATACMS(Army Tactical Missile System)に極めて類似しているのだ。
ATACMSのミサイル部分は、韓国の固定サイロに入っている「玄武2号A」としても採用されているものだ。
ということは、韓国か北朝鮮のどちらかが、嘘をついていることになる。
もし、北朝鮮の映像が正しければ、韓国は嘘をついており、米軍から韓国に供与された兵器が北朝鮮に流れている可能性が出てくる。
米韓軍事同盟関係を揺るがす大事件に発展する可能性が十分にある。一方、北朝鮮が嘘の情報を流しているのであれば、米韓軍事同盟を離間させるための情報工作ということになる。
■ 2.韓国の分析結果と北朝鮮公表は、どちらが正しいのか
北朝鮮がこの日公開した写真が、どこからか持ってきた写真ではなく、本物の実射の映像であるならば、これまで、北朝鮮が公開したことのない戦術地対地ミサイルであり、これは、ATACMSに酷似している。
このミサイルは韓国の玄武2A型にも似ている。
最近、韓国軍合同参謀本部の発表には、「誤り」があったり、あるいは「文在寅政権の北朝鮮を刺激しないためのうそ」があったりもした。
北朝鮮中央通信の情報写真には、時にはトリックがあったのも事実である。今回の場合、北朝鮮と韓国のどちらの主張が正しいのであろうか。
韓国の弾道飛翔のデータ、特に弾道の飛翔距離と高度からは、韓国の分析が正しいと評価できる。
韓国が公表している飛距離が400キロであれば、ATACMSの能力をはるかに超えている。
だが、もし、本当に北朝鮮が米国製のATACMSを発射したとされるならば、この兵器は、
韓国から流出したという可能性を疑われることになる。そのため、韓国としては、北朝鮮の情報を否定したいという心理が働くであろう。
北朝鮮の立場で見てみれば、最近は、北朝鮮のミサイル発射の映像には、トリックが少ない。今、嘘情報を発信して、
米韓同盟を引き裂くことが必要なのかどうかを考えると、嘘がばれた場合の北朝鮮の痛手の方が大きいと考える。
とはいえ、韓国か北朝鮮のどちらかに、「うそ」か「誤り」が確実にある。
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