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「海洋細菌の中で、藻細胞壁の分解を行なう酵素を特定した」とフランスのStation Biologique de Roscoff
(ロスコフ海洋生物研究所)の生物学者、Mirjam Czjzek氏は述べている。
「この酵素が見つかる他の場所は1つしかない。それは日本人の腸に見られる細菌の中だ」
科学雑誌『Nature』の4月7日号に掲載されたこの発見は、Roscoff研究所の生物学者Jan-Hendrik Hehemann氏による
Zobellia galactanivorans(ゾベリア・ガラクタニボランス:一般的な海洋細菌)の分析から始まったものだ。
この研究の中でHehemann氏は、ポルフィランを分解する酵素を見つけた。
ポルフィランとは、紅藻類の細胞壁で見つかった炭水化物だ。
この酵素をコード化する遺伝子は、他の場所で発見されていた――人間の腸で見つかった微生物、Bacteroides plebeius
(バクテロイデス・プレビウス)のゲノムだ。だが、すべてのB. plebeius菌株が、藻を分解する酵素を生成するわけではない。
そういった菌株は、日本人にしか見つかっていないのだ。
研究者たちによると、この酵素はZ. galactanivoransが紅藻類を食べるのを助けるという。
紅藻類の中で西洋人にとって最もなじみが深いのは、巻き寿司の周りに巻かれている海苔だろう。
[紅藻類は、セルロースと厚いゲル状多糖からなる細胞壁を持っており、これが海苔や寒天など、紅藻から作られる製品の原料となっている]
日本人の過去において、どこかの時点の誰かの腸で、この酵素をコード化する遺伝子が、Z. galactanivoransからB. plebeiusに入り込んだのだ。
https://wired.jp/2010/04/09/日本人の腸だけに存在?:海藻を消化する細菌/