「何も分からず10年」ひき逃げ死亡小学生の母無念 時効1カ月に迫る
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190827-00000034-mai-soci
埼玉県熊谷市で2009年9月、小学4年の小関孝徳(こせき・たかのり)さん(当時10歳)がひき逃げされて死亡した事件が、時効成立まで1カ月に迫っている。
解決を願う同級生や保護者、学校関係者はこの夏もチラシ配りなどで情報提供を呼びかけた。母代里子(よりこ)さんは「10年間変わらず行動してくださった方には感謝でいっぱい。一日一日を無駄にしないようにしたい」と話す。
◇時効撤廃求め署名活動
「この近くで小学生が事故に遭ってしまい、もう少しで時効なんです」。今月11日、熊谷市の事故現場周辺。孝徳さんの同級生と保護者ら約20人が集まり、情報提供と、自動車運転処罰法違反(過失致死)と道路交通法違反(ひき逃げ)の時効撤廃を求める署名への協力を求めた。
サッカーのチームメートだった高専5年、関根豊さん(19)は事故があった9月に毎年のように活動に参加。「自分の節目の度に、小関はどんな進路をたどっていたかと考える」と話す。
事件は09年9月30日に発生。孝徳さんは書道教室から自転車で帰る途中だった。ひき逃げは16年9月に時効を迎え、自動車運転過失致死罪(当時)の時効も9月30日午前0時に迫る。
代里子さんは孝徳さんが4歳の頃に夫と死別し、2人きりの家族。事件解決につながる情報を少しでも得ようと、代里子さんは事故後、事故現場付近を通行する車のナンバーの書き取りを続けた。
群馬ナンバーの車も多いことが分かり、隣接する群馬県でもチラシを配った。書き取ったナンバーは10年間で約10万台分に上る。
◇ブログも開設
今年1月には、新たに情報提供を求めるブログを開設。また事故時の状況を明らかにしようと、2月から民間の事故調査会社に相談し、県警から返却された自転車などの証拠品を鑑定。6月には「罪から逃げられなくなれば、ひき逃げはなくなるのでは」と時効撤廃を求める署名活動も始めた。
孝徳さんが通った小学校の校長だった浅見信行さん(62)も解決を願う一人だ。事故直後には学校で自転車に乗る際のヘルメット着用を呼びかけ、今年7月は当時のPTA役員らとチラシ配りと署名活動を行った。「犯人は名乗り出てほしい」と願う。
代里子さんは「事故状況について何も分からない10年間だった。一人でも多くの方からの情報を切実に求めています」と話す。