スポーツ用品大手、デサントの小関秀一社長が29日、大阪市内で令和4年3月期までの3カ年の中期経営計画(中計)を説明し、「韓国一本足打法ではリスクがある」と述べ、連結売上高の半分を占める韓国事業への依存から脱却する考えを示した。新しい中計のもとで、中国事業の強化を図る。
デサントでは、韓国事業をめぐる見解の相違から、筆頭株主の伊藤忠商事による敵対的TOB(株式公開買い付け)に発展。
伊藤忠出身の小関氏が6月、創業家の石本雅敏氏に代わり新社長に就いていた。社長就任後、小関氏が記者会見するのは初めて。
小関氏は、韓国での日本製品の不買運動でデサントの製品も対象になるなど厳しい状況にあると指摘。
不買運動などの影響について「具体的な数字は言えない」としながらも「7月から影響があり、8月に入って大きくなっている」と述べ、
「経営には安定が必要で、市場を分散させなければならない。韓国一本足打法ではリスクがある」とした。
今後について、「日本より市場の小さい韓国での売り上げが大きなウエートを占めているが、さらに伸ばすことは難しい」と述べた。
その上で、新たな収益の柱として中国事業の強化を強調。
中国でデサント製品の売り上げが好調に推移しているとし、販売店を拡大する方針を掲げた。
米中の貿易摩擦については「アパレル分野への影響は小さいと考えている」との見解を示した。
また、前社長時代の経営については「企業理念を社員に浸透させ、熱心な社員がいきいきと働いてきた」としながらも、「経営を外から見て変えるべきだと思った点はその通りだったと確信している」と指摘。
「スピードを上げ、満々の自信を持ってデサントを引っ張っていきたい」と意欲をみせた。
https://www.sankei.com/west/news/190829/wst1908290022-n1.html