枝野氏の河野外相辞任要求 苦しすぎる釈明で外交音痴を露呈
(略)
強制労働被害補償は求償権協定に含まれていると盧武鉉政権時に認定済み
一方で韓国は日韓請求権協定に関わる交渉過程をどのように解しているのか。
そもそも日韓請求権協定は日韓国交樹立の基礎といえるものだが、時の韓国政府は2006年8月にその交渉過程の
文書を全公開し、当時の総理大臣主催の民間共同委員会で「日本政府や軍等の国家権力が関与した
反人道的不法行為に関しては、請求権協定で解決されたと見ることはできない」としつつも、
「日本から受け取った無償3億ドルは、個人財産権、韓国政府が国家として持つ請求権、
強制労働被害補償問題解決性格等の資金等に包括的に勘案されているとみなければならない」とした。
すなわち“徴用工”については無償3億ドルに含まれていると判断したわけだ。
なお当時の大統領は故・盧武鉉大統領で、文在寅大統領の政治の上の師でもあることに留意すべきだろう。
このような事実を踏まえれば、果たして河野外相の発言は相手のプライドを傷つけ、
顔に泥を塗った“暴言”と言えるのか。むしろ日本の主張を述べただけにすぎないのではないだろうか。
それは政治家としてまた大臣として、当然の行為だろう。
政治家としての力量は……
枝野氏は韓国のGSOMIA破棄決定について、「明らかにやりすぎ」と批判するものの、
いまいち力が入っていない。単に世論に配慮しているだけではないか。
一方で河野外相は康長官との関係は悪くなく、GSOMIA破棄決定時に
康長官から河野外相に「残念だ」と述べたメールが送られたという韓国メディアの報道もあったほどだ。
このたびの枝野氏の河野批判は野党として政権に一言いわなければならないという、
ただ「ためにする批判」に過ぎないのではないか。そもそも「外相を替えるしかない」「大臣をお辞めになるしかない」
と述べながら、「大臣を辞任しろとは言っていない」と主張するのは無理はある。政治家はそのような詭弁を
使うべきではないし、詭弁を使う政治家は国民から不信感を買うだけだ。なお枝野氏の発言の余波は
9月の内閣改造を前に、「枝野氏嫌いで有名な安倍晋三首相が、これでは河野氏を切るに切れなくなってしまった」
と永田町で囁かれた点を付記しておこう。もし本当にそれが枝野氏の意図であるならば、枝野氏はなかなか策士である。
https://news.yahoo.co.jp/byline/azumiakiko/20190831-00140659/