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県環境影響評価審査会も「工事による影響がない」ことは、明らかでないとしている。
変化した要因が把握できるよう事後調査や追加の環境保全措置を要求している。
工事の影響でないことが証明できない限り、影響があると判断すべきだ。その立証責任は防衛局にあるのは当然である。
辺野古沖などで3頭が確認されていたジュゴンのうち個体Bは今年3月、今帰仁村の漁港沖で、死んだ状態で漂着しているのが発見された。
環境省などによる解剖ではエイのトゲが刺さり腸管を損傷したのが死因としている。
嘉陽沖を主な生息域としていたジュゴン個体Aはヘリコプター監視で2018年9月まで、食跡は同年12月まで見られたが、それ以降は目撃されていない。
個体Bの子とみられるジュゴン個体Cは15年7月以降、行方知れずだ。
防衛局はヘリコプターによる調査を古宇利から辺戸・安田を通り嘉陽までの海域を4月から3カ月、月1、2回行った。
現在は水中録音装置で鳴音調査を継続している。
防衛局がジュゴンの行方不明は工事の影響ではないと一方的に言い、現状がどうなっているのか知らぬ存ぜずなのでは無責任極まりない。
ジュゴンは国内では沖縄だけに生息し、世界の生息域の北限といわれる。国の天然記念物で絶滅危惧種である。
ジュゴン保護は環境省の所管だ。同省の調べでは八重山諸島や多良間島で00年以降、個体や死骸などジュゴンとみられる計11件の目撃情報があるのがわかっている。
環境相に小泉進次郎氏が就任した。行方不明は保護対策が不十分だった証拠で、環境省にも責任がある。
小泉氏が存在感を発揮し、工事を止め全県調査を急ぐべきだ。
おしまい