船長はそれを見てすぐ「はい、やり直します。仕掛けを上げて」と、何度も何度もイカリを打ち直してくれた。いつもの事ながら、船長の、このこだわりには感心させられる。
少しでもアタリが遠いとすぐ、何度でもイカリを上げて船を掛けかえる姿勢からは「何とか釣らせたい」との思いが伝わってくるから、ありがたい事だ。
当日のタックルと釣り方
この日も、約1時間で10回近くもやり直して、ようやく船が安定したのかアタリが出始めた。「水深81m。底から10〜15mでやって」と指示が出て、100号の鉄仮面にアミエビを入れて降ろす。
仕掛けは自作のハリス4号4本バリ仕掛け。手前の2本のハリにはスキンギジバリのかわりにワームバケシラス6Fを刺し、先バリ2本にはオキアミを刺した。
当日の仕掛け(作図:WEBライター・大西満)
81mで着底。10mを速巻きしてから大きく竿でシャクッてアミエビを振り出し、ハンドルを1回転してステイ。これでアミエビの中に仕掛けが漂っているはずだ。
誘い上げでヒット
アタリがなければ2m巻き上げ、もう1度シャクリを入れて待つ。ここでゆっくり巻き上げるとクンッ、グイーッと穂先が反応した。この、穂先が小刻みに震えながら水面に引き込まれる、イサギ独特のアタリが小気味良いのだ。
念のために大きく竿を立ててハリ掛かりを確認し、電動リールのレベル10で中速巻きすると、何度も何度も穂先が水面に突き刺さるような引きを見せて、水面下に薄茶色の魚体が見えてきた。