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中国が韓国を“脅迫” 王毅外相「建設的な役割を果たすべき」 GSOMIA維持は事実上の“裏切り” 文大統領と会談へ
中国の王毅国務委員兼外相が4日、韓国を訪問した。中国は「韓国のレッドチーム入り宣言」といえる、日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄に賛同していたとされるが、文在寅(ムン・ジェイン)政権は当面維持すると発表した。
中国にとっては、事実上の「裏切り」であり、韓国メディアは「(王氏が)『警告状』持参で来韓」などと、おびえるように報じている。ドナルド・トランプ米政権が厳重監視するなか、5日に会談する文大統領はどう立ち回るのか。
■「建設的な役割を果たすべきだ!」
「中韓は隣人で友人かつパートナーだ」「交流や協力、相互理解を深め、われわれの正当な権利と利益を守り、地域の平和安定において建設的な役割をともに果たすべきだ」「世界の平和と安定が直面する最大の脅威は、一国主義が現在の国際秩序を破壊し、覇権的な動きが国際関係の規範に挑んでいることだ」
王氏は4日、韓国の康京和(カン・ギョンファ)外相との会談で、トランプ政権を念頭に、こう語った。文政権に対して「こちら側に来い!」と、共同歩調を呼び掛けたともいえる。
韓国・聯合ニュースによると、王氏の訪韓は、米国の高高度防衛ミサイル(THAAD)の韓国配備をめぐって、中韓両国が対立した2015年以来という。文政権に入って初めてだ。
中国政府は、韓国が16年にTHAADの在韓米軍配備を公表すると、「禁韓令」「限韓令」とも呼ばれる経済制裁で対抗した。この中には、中国人による韓国団体観光の制限や、韓国のテレビや映画の禁止、歌手やアイドルの公演禁止も含まれていた。韓国のエンタメ関連企業の株価が軒並み暴落した。
もともと、「反日・離米・従北・親中」姿勢だった文政権は震え上がり、17年10月、中国に対して、(1)THAADの追加配備はしない(2)米国のミサイル防衛(MD)体制に加わらない(3)日米韓を軍事同盟にしない−という「三不の誓い」を提出した。
米国の安全保障専門家は当時、「自由主義陣営から、レッドチーム入りしたのも同然だ」と吐き捨てた。
続く
https://www.zakzak.co.jp/soc/news/191205/for1912050008-n1.html