新型のコロナウイルス感染症(武漢肺炎)について、韓国政府が「鶏などの家禽(かきん)類を避けよ」と呼び掛けるポスター(写真)を配布したところ、養鶏協会などから抗議を受け、修正する騒ぎが起こった。
ポスターは先月29日にはネット上で修正されたが、修正前のポスターは今も地下鉄の駅など一部公共施設に残っている。
韓国保健福祉部(省に相当)疾病管理本部は先月20日「新型のコロナウイルス感染症予防行動規則」というタイトルのポスターを全国の公共機関や地方自治体に配布し、ソーシャルメディアでもポスターが公開された。
ポスターは「マスクの着用」「手洗い」など一般的な心掛けのほか、鶏のイラストに「家禽類や野生動物との接触を避けること」という文言もあった。
後からこれを知った全国の養鶏農家や畜産農家が動き出した。
大韓養鶏協会は先月29日に声明を出し「根拠もなく、実効性もない家禽類との接触禁止を求める予防規則の配布を中断せよ」と要求した。
実際に海外でも新型コロナウイルスの宿主としてネズミやアナグマ、ヘビなどが注目した専門家はいるが、鶏が疑われたケースは知られていない。
疾病管理本部は結局ポスターを修正した。畜産団体からの抗議があった29日には、鶏ではなくヘビとネズミのイラストが描かれた新しいポスターをネットで公開した。。
疾病管理本部は朴槿恵(パク・クンヘ)政権当時の2015年に中東呼吸器症候群(MERS)が問題となった際、その予防のためとして「ラクダとの接触禁止」を呼び掛けるポスターで批判を受けたことがある。
当時は今の与党の前身である新政治民主連合の秋美愛(チュ・ミエ)最高委員が「MERSはラクダのせいではなく、官僚の無能と大統領の独善が原因だ」と非難した。
http://www.chosunonline.com/m/svc/article.html?contid=2020020480102