Enhanceモードが修復してくれるのは、顔の部分だけだ。顔として認識されないと、画像に変化は起きない。顔(首を含む)以外の部位や背景は変わらないようだ。
妻が中高校生だったときの写真が十数枚残っているので、かたっぱしからEnhanceしてみた。1976年、妻が中学2年のときの、夏服の頃の旅行写真。電車の中で、級友に撮ってもらったであろう、とてもいい笑顔。元の写真もとてもいいのだが、これをEnhanceすると、不思議な気持ちに襲われる。今そこに彼女がいるようなピントの合い方をしているのだ。
最近流行の瞳オートフォーカスでもしたかのような合焦っぷりである。目元、瞳のハイライト、口元、歯並び……。どれも本物っぽい。元にした写真では、前歯の左右の違いは区別がつかない程度のはずだが、そこもうまく表現してくれている。この程度の元データがあれば、その再現っぷりは半端ない。
あと4年経たないと、リアルな彼女とは出会わないのだけど、当時はこうだったんだろうなというのは実感できる。
大学の卒業旅行のときの、ピントがもっと合っていればな、という写真も合わせてくれる。
卒業アルバムの粗い画像も、きれいな顔に修正してくれる。こっちをじっと見られている感じすらある。