腸内細菌物質に糖尿病予防に効果
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kyoto/20200227/2010005841.html ヒトの腸内細菌がつくり出す物質に、血糖値を下げるインシュリンを増やす働きがあることを見つけたと京都大学などのグループが発表しました。
グループは、糖尿病の予防法や治療法の開発にもつながる成果だとしています。
京都大学ゲノム医学センターの松田文彦センター長らのグループは、いずれも冠動脈疾患がある糖尿病の患者77人と、糖尿病でない60人の血液を分析しました。
その結果、糖尿病の患者では、血液に含まれる「クレゾール」という代謝物の濃度が低いことが分かったということです。
クレゾールはヒトの腸内細菌のいずれかが作り出す代謝物であることが分かっています。
糖尿病になりかけている状態を再現するため、脂肪分が高いエサを与えたマウスにこのクレゾールを投与したところ、投与しなかったマウスと比べてインシュリンを作り出す、すい臓の細胞が増殖し、血糖値が安定したり体重の増加を抑えたりする効果がみられたということです。
同様の効果はすでに糖尿病の症状があるラットの実験でもみられたということで、グループは糖尿病の予防法や治療法の開発にもつながる成果だとしています。
松田教授は、「今後はどの腸内細菌がクレゾールを作り出しているのかを特定していきたい」と話しています。