北朝鮮の平安北道(ピョンアンブクト)で先月中旬、50代男性の密輸業者が銃殺刑となる事件があったと、デイリーNKの内部情報筋が伝えてきた。
男性は密輸のため中国に渡り、現地で発熱の症状が出たものの、帰国後にこれを隠していたことがバレたのだという。
北朝鮮は新型コロナウイルスの侵入を防ぐため、早い段階で国境を封鎖するなど、防疫措置に全力を挙げている。
医療体制の脆弱な北朝鮮にとって、新型コロナウイルスの蔓延は体制不安につながりかねない問題だ。
すなわち、防疫規則を破る者は危険分子とみなされ、治安維持のため極端な重罰が適用されているのだ。
情報筋によれば、男性は1月初め、密輸のために中国に渡った。
発熱するなど体調不良を認識したが、現地では診断を受けられず、密かに北朝鮮へと戻った。
そこで、新型コロナウイルスを巡ってただならぬ空気が漂っているのを感じ、身の危険を覚えてしばらく隠れて過ごしていたという。
北朝鮮当局は新型コロナウイルスの侵入を防止するため、1月末には国境を閉ざし、外国人の入国を禁止。海外からの帰国者に対しても徹底的な検疫を行ってきた。
この男性も、自ら申し出て検疫を受けていれば、死刑にまではならなかったかもしれない。
調査を受けて密輸の事実が発覚しても、その部分についてはワイロでもみ消せる可能性もあった。
しかし結局、男性は近所の住民の通報により道保衛部(秘密警察)に逮捕され、「祖国反逆罪」により銃殺された。
(以下略)
https://dailynk.jp/archives/130096